犬の前立腺がんに対するCBDとTHC抽出物の抗腫瘍効果の可能性を確認

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前立腺がんは、人間と犬の両方において、初期の段階で発見されてもがんによる死亡の主要な原因のひとつです。犬の前立腺がんは自然発生が多く、人間の前立腺がんと非常に似ているため、比較研究の良いモデルとなります。この研究では、大麻(カンナビス・サティバ)の成分であるカンナビジオール(CBD)とΔ9-テトラヒドロカンナビノール(THC)を豊富に含む抽出物が、犬の前立腺がん細胞の成長を抑制することがブラジルの研究者たちにより確認されました。これにより、これらの成分がどのように作用するかを動物実験などでさらに研究する道が開かれました。

具体的には、CBDやTHCを含む抽出物が犬の前立腺がん細胞に対して用量依存的に増殖を抑制し、細胞死を誘導することが示されました。これらの抽出物は、アポトーシス(プログラムされた細胞死)や壊死を通じてがん細胞の死を引き起こし、将来的には犬の前立腺がんに対する新しい治療法の基礎になる可能性があります。今回の結果により、犬を前立腺がんの自然モデルとして利用することで、CBDとTHCががん細胞に対してどのように作用するかを解明する研究が進むことが期待されています。

ソース元:https://www.mdpi.com/2306-7381/11/10/501