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インドの研究チームは、トゥレット症候群(TS)の治療に大麻成分を使った薬が効果的かどうかを調べました。TSは、体が勝手に動いたり声が出たりする「チック」と呼ばれる症状が出る病気で、多くの場合、強迫的な行動をしてしまう症状(強迫性障害:OCD)や、落ち着きがない・集中しづらい(注意欠如・多動症:ADHD)といった問題もあわせて見られます。大麻由来の薬は、体の中の「エンドカンナビノイド系」と呼ばれる仕組みと関係しながら、チックや他の症状をやわらげる可能性があると考えられています。さらに、今までよく使われてきた抗精神病薬に比べて、副作用が少なく、使いやすいとされています。
研究では、過去の論文を調べ、306人の成人患者に大麻由来の薬を使った結果、チックの重さや「チックが出る前の衝動」のスコアが明らかに良くなっていたことがわかりました。このことから、大麻由来の薬はTSの新しい治療方法として期待できるとされています。ただし、より多くの人を対象にした試験や、本当に効果があるかを確認するための「偽薬(プラセボ)」を使った検証が今後必要です。また、最も効果的な使い方を見つけることも課題となっています。
ソース元:https://www.neurology.org/doi/abs/10.1212/WNL.0000000000210898