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ポルトガルの医薬品・保健製品庁(Infarmed)は、欧州の規制に準拠していないとして、カンナビジオール(CBD)を含むいくつかの化粧品の市場からの即時撤退を命じました。対象となったのは、SVR、Naturasor、Dermacolの製品で、これらには大麻植物から抽出されたCBDが含まれていたため、欧州連合(EU)の化粧品規則(Regulation (EC) No. 1223/2009)に違反すると判断されました。特に、大麻の抽出物、樹脂、チンキから得られたCBDは「麻薬」に該当するとされ、規制の対象になっています。一方で、EU内の他の加盟国では、THC含有量が0.3%以下の産業用大麻から精製されたCBDの使用が認められており、各国間で規制の違いが浮き彫りになっています。
この決定により、ポルトガルのCBD化粧品市場に大きな影響が及ぶ可能性があり、企業は合成CBDへの切り替えを迫られるかもしれません。しかし、化粧品成分データベース(CosIng)には、CBDが禁止物質に該当するとの記載がなく、Infarmedの判断が技術的・法的根拠に基づいているのか疑問視されています。さらに、欧州規則では製造過程で避けられない微量の禁止物質の混入は認められているため、今回の措置が過度に厳しいのではないかとの指摘もあります。